新潟県佐渡市で昨年9月に試験放鳥されたトキについて、今春の繁殖が難しくなっている。雌4羽のうち3羽が本州へ飛来、残る雌も単独行動で「つがい」をつくる気配がないためだ。佐渡市の高野宏一郎市長らは13日、環境省を訪ね、本州の雌3羽を捕獲して佐渡へ連れ戻すよう要望した。
放鳥されたトキは10羽。このうち雌1羽が昨年12月死に、1羽は行方不明。居場所が分かっている8羽はすべて単独行動だ。
唯一、2歳の雄と1歳の雌が佐渡で行動を共にし、繁殖が期待されていたが、その雌が本州に渡ったことが今月10日、確認された。現在、本州には雌3羽、佐渡には雌1羽と雄4羽がいる。
トキは通常、2月下旬に繁殖期を迎え、つがいを形成する。高い木の上に巣を作り、3月下旬ごろには産卵を始めるという。長年、野生トキの観察を続けてきた佐渡とき保護会顧問の佐藤春雄さん(89)は「繁殖期を迎え、神経質になっていると思うが、繁殖させるには捕獲しかないのではないか」と話す。
繁殖が難しい状況に危機感を募らせた地元自治体は13日、環境省を訪れ、「移動の原因究明と佐渡への定着策の検討」「3羽の捕獲と佐渡への移送」--を要望。高野市長は「本州に雌だけ渡り、住民が繁殖の可能性に不安を感じている。移動先で(トキが定着、繁殖する)環境を作るには時間と費用、住民の支援が必要で難しいのではないか」と語った。
これに対し、環境省は「今秋予定の2回目の放鳥のためのデータを集めるためにも、見守りたい」と捕獲に慎重だ。
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090313-00000104-mai-soci
