難病デュシェンヌ型筋ジストロフィーのモデル犬にDNAに似た分子を投与し、症状を改善させることに、国立精神・神経センター神経研究所と米国立小児医療センター遺伝医学センターの共同研究チームが世界で初めて成功した。動物で有効性が確認されたことで、人への臨床応用に期待が掛かる。
この疾患は、遺伝子変異によって、筋肉の細胞の骨格を保つたんぱく質「ジストロフィン」が作られず、筋力低下や筋萎縮(いしゅく)が進行し、呼吸不全や心不全で死に至る。進行を遅らせる薬物以外に有効な治療法はない。
モデル犬では、DNAの情報部分(エクソン)の1つが読めず、塩基配列がずれてジストロフィンの合成過程が止まってしまう。
研究チームが治療に用いたのは、DNAに似た分子を結合させることで前後のエクソンも同時に読み飛ばし、配列のずれを修復する「エクソン・スキッピング」という手法。これまでも試みられていたが、効果が局所にとどまるなど成功していなかった。
チームは、安定性が高く静脈注射が可能なモルフォリノという分子を選択し、症状の表れたモデル犬に週1回ずつ5週連続で投与した。この結果、運動機能が改善し、ジストロフィンが全身の筋肉に作られていた。
同研究所の武田伸一部長は「理論的には8割くらいの患者に使える。人への応用には安全性確認や薬剤の安定供給など多くのハードルがあるが、なるべく早く臨床試験に移りたい」としている。
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090321-00000018-jij-soci
